それぞれの色。

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 大好きな拓海を風呂場放り込み、蒼ちゃんとマルオと俺は蒼ちゃんの部屋で、今日撮影をする台本を読みながら待機。  「このセリフ、言いづらすぎて覚えられないんだけど」  と台本に赤線を引きながら蒼ちゃんに見せると、  「変えてやりたいのは山々なんだけど、そのセリフは俺のお気に入りだから、何とかして」  『がんばれ、がっくん』と蒼ちゃんは取り合ってくれず。  そんな俺の横では、  「今回も蒼ちゃん死んじゃうから、今度こそは泣きたい」  とマルオが瞬きを我慢しながら泣く練習をしていた。そんな事をしていると、  「染めて来たぞ‼」  拓海が蒼ちゃんの部屋のドアを勢い良く開け、戻ってきた。  『おぉ‼』  拓海の頭を見て、待機組の3人がパチパチパチと拍手。
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