百戦錬磨のエクスタシー

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 まず自分に向かって何かを教えてくれる人がいるという授業の在り様に感動した。  それをみんなが当たり前に受け入れている異様な光景に涙。  さらには各授業のその内容のすばらしさに狂喜乱舞。 「に、日本って千年以上も前から今に至るまで続いてきたのぉ!?  す、すごいぃぃ!!」 「水素も酸素も見えないのに、くっつくと水になって見えるようにぃ!?  なんでぇ、どうしてえぇえ!?」 「アイ・キャン・フィール・モァア、モァアアー!!」 「イチ足すイチは、んんん~~!!」  教師が何を口にしても、教科書でどんなページを開いても、私は感動の大渦に包まれた。  その度に教師や生徒たちが私に向ける視線。それもまたゾクゾクとした。  そしてついに私は、世界史の授業の時間に限界を超えてしまった。 「あ、アレクサンダー大王、すごい……。  私なんて、この教室だけでも十分なのに、せ、世界……?  規模が、違いすぎるうぅぅぅうう~~!!!」  ビクビクッ!と痙攣する全身。  絶頂を迎えたのだ。  そして私は失神した。
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