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クラシックの優美な音色と共に手足をのばし、体全体で異世界を表現する芸術、バレエ。まだ小さい時、お母さんの気まぐれで行った舞台で一度だけ見て以来憧れている。中学二年生になった今でも憧れは霞んでいない。 私もバレエ団に入ってあんな風に踊ってみたい。トウシューズを履いて、照明の下で踊れたらどんなに素敵だろう。そのためには一日中バレエができるバレエの学校か、週に何回か通うバレエ教室に入って教わらなければならないだろう。 でも私はどちらにも行けない。私だけじゃない。お金がない家の子供はみな、普通学校に行かなければならないのだ。
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