百歳の君、十歳の僕。
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百歳の君、十歳の僕。
当たり前の幸せに気づけなかった――気づいていなかったことをようやく知った、その日。 僕の現実は無残に崩れ落ちた。奪い取った慣れない武器に、その重さに震えながら――それでも立ち止まる暇などあるはずもない。 何故なら僕には、何よりも守りたいものがあったから。 僕に出来ることはただ一つ。 泣きじゃくる君の手を握って、亡者ばかりの世界をただひたすら逃げることだけだったのである。
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