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「蓮…良かったの?チェックポイント一つ取れな」
「アイツらのことはほっとけ。俺たちも先回りするぞ!空が陰ってない今のうちにな!」
「…」
いつも蓮と三樹は喧嘩ばっか。だけど今日の…今の喧嘩はなんだかいつもとは違った。まるでお互い本気で険悪な感じを持ってた。
…オレとしても、きっと二菜からしても…あの二人にはもっと仲良く喧嘩してほしい。あんな殺伐とした喧嘩なんてこっちまで嫌な気分になっちゃうじゃないか。
「ねぇ蓮、今ならまだ間に合うよ!戻ってあの二人と合流しようよ!」
「いくら新太からの頼みと言えど、今回ばかりは全力でNOって言わせてもらうぞ!俺は班長として班員に声かけてやったのに素直にならない香織が完全に悪い!」
…三樹だけが悪いわけじゃないと思うのはオレだけかな?
―一方、第一チェックポイント・高台―
「新太も心配してる…戻って四人で」
「お断りよ!あんなヤツ、一緒にいるだけで嫌な気分になるだけじゃない!戻りたければアンタだけ戻りなさいよ!」
「……」
三樹と蓮はここまでひどく喧嘩しない。だけど、日常的にあの二人は喧嘩してたから堪忍袋の根が切れたんだよね、きっと。
でも…今の私じゃあの二人の喧嘩を止めるどころか仲直りもできないままだ…どうにかしなくちゃ。
二菜はどうにかして二人の関係を元に戻せないかどうか考えたがこれといっていい方法が一つもでなかった。
―その頃、新太たち―
新太と蓮はあの後二つ目のチェックポイントに到着してから30分ほど休憩を取り、いよいよ三つ目のチェックポイント目指して歩き始めていた。
しかし天気は彼らに味方してくれないのか、どんどん空が雨雲で黒っぽくなってきた。
…こうなったらこれしかない!
新太は二菜のスマホに『二つ目のチェックポイントで待ってるから来て』とメッセージを飛ばした。
『なんで?新太は蓮と一緒でしょ?それに新太はまだ体どこも怪我してないでしょ?』
『二菜の怪我がやっぱり心配なんだ。お願いだから来てくれ!』
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