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―その後―
「新太、お前ももうすぐ勉強すんの?」
「まぁね。中二の夏は勝負の夏って言われてるから、これまでみたいにやってたら出し抜かれるかもしれないって思ったんだ。」
「誰かに教えるとかしないだろうな…?」
蓮の突然の質問に新太は箸を止めるどころか、落として固まってしまった。
「…そのご様子じゃ、二菜に教えるつもりだったのか。」
「だって、林間学校行くにはテスト全部赤点回避しなきゃ」
「んなもん、100%嘘に決まってんだろ、バカなのかお前は!」
えぇっ、マジでぇ!?じゃあさっき駄菓子屋で二菜が言ってたこと全部嘘なのか!オレはあのこの口車にまんまと乗せられたってことなの?オレの良心を返せよぉぉぉぉ…
新太は二菜がなぜ自分に勉強を教えてほしいのか、ということの真意に気づくこともなくただただ発狂していた。
「はぁ…お人好しもいいとこだわ。って、俺もお前のこと言えたクチじゃないけどな。なんで対して仲良くもない三樹に教えなきゃならんのさ。」
「嫌いなら教えなきゃいいじゃん。」
「それができたらもうしとるわぁ!」
なんだ、なんだかんだ蓮も最後まで断りきれずに強行突破された感じか。ならば…こうしてやるぅ!
新太は無言で蓮の頭をグリグリ押さえつけた。その手には先程の痛みの返しが含まれていた。
「あっ、オイ…あぁぁぁぁぁぁぁぁ!やめろ、バカ!前言撤回してやるから勘弁してくれぇぁぁぁぁぁ!」
―その頃、三樹と二菜の部屋―
「んーーーーー!ふーーーーーー!」
二菜は帰ってきてすぐベッドに転がり足をバタつかせた。自分が新太に言った言葉を思い出して悶絶していたのだ。
「にーな、何があったかは聞かないけど、とにかく落ち着いてよ!」
「ごめんね…新太~!!」
オレたちの夏は、こんな感じで発狂から始まってしまったのでした…
~予告~
ついに夏本番!夏至っていつだっけ?
バーカ、まだ七月にすらなってねぇだろ。
でも夜明るいじゃん!
次回〈新たなる刺客!〉
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