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18 5年越しの告白・前編
―5年前、臨海小学校3-2教室―
当時から蓮は黒にやたらと執着しており、私服はおろかハマっていたテニスのユニフォームすらも黒一色にしていたほどだった。
さらに彼は根っからのスポーツバカで、特に球技系のスポーツならば右に出る者がいたら全力で張り合って頂点をとるほどだった。
そのため、瞬く間に友達ができていった。しかしそんな中でも彼は弟のような存在・新太のために気を使ってあげるなど年に合わない行動も多々あった。
「なぁ蓮くん、新太くん!このあと運動場でドッジボールやるけど、一緒にやろーぜ!」
「いいけど、今日の算数がちょっと難しかったからさ、後で来てもいいよって約束なら一緒にやろうよ!」
「分かった!新太くんつれて絶対来いよ!」
「おう!…では、今日もよろしくな、相浜!」
「うん、新太くんもやる?」
「おっ、お願いします…」
当時二人は相浜という同い年の男の子に毎日復習感覚で勉強を教えてもらっていた。
―時変わって現代、新太と蓮の部屋―
「ふぁぁぁぁ…なぁんだ、案外寝れるじゃねぇか、このベッド。さてと…班長として朝の一仕事やりますか…ん?」
蓮は着替えてる途中、手帳から落ちたと思われる写真を拾い上げて、それを懐かしむように見た。
「このツインテの女…どっかで見たことがあるような…いや、俺が女とつるんでたなんて馬鹿馬鹿しいにもほどがあるわ、ハハッ。」
蓮はどこか辛そうに笑ってその写真をしまい、すぐに着替えて班長会のために先生たちが泊まっているコテージに向かった。
―その後、食事会場―
「ブッ…アハハハハハハ!腹いてぇ…なんだその寝癖ぇ、アハッ、こっち見んな新太ぁ!」
現在新太は静電気のイタズラでもやられたんじゃないかってレベルの寝癖がついていた。で、横に座っていた蓮はそんな新太の髪を見て大爆笑していた。
「何もそんな笑わなくたっていいだろ?まったく…って、二菜まで!」
「…っっ、ごめんね。ヤマアラシの背中みたいだったから…」
「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
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