さよなら、スピカ

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顔を洗い、鏡に映った自分を確かめるように見る。 俺は一体何を忘れてる? どうして「スピカ」なんて呼ばれてたんだ? 『直接話さないか?』 五年前の事を訊きたいと言った俺に、浦沢は少し黙った後、落ち着いた口調でそう言った。 待ち合わせは何故か駅前。 少しだけ想い出話をしてくれた浦沢の口ぶりから、記憶の欠如は感じない。 すっぽりと穴が開いたように記憶が抜け落ちたのは俺だけ。そして、その理由を浦沢が知っているのは間違いなさそうだった。
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