君と僕は同じ

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バイトからの帰り道、久々に通りかかった夜の小学校は不気味で怪しくて、昔どこかで聴いた怪談話がふと頭をよぎった。 「あっちぃー」 溶けかけたソーダ味のアイスバーを慌てて口に運ぶ。こめかみにキンと刺すような痛みが走った。 肌に貼りつくシャツを引っ張りながら、門扉越しに見えた人気の無い校舎。空には妖しげな金色の満月が浮かんでいる。 まさか二宮金次郎が校庭を走り回ってたりして。 子どもじみた考えに自嘲気味に笑う。 「何やってんだか……」 もう名前すらうろ覚えな幼馴染みと度胸試しに入った夜の校舎も、確かこんな蒸し暑い日の夜だっただろうか。 あれほど夢中になっていた遊びも、好奇心も、今ではバカバカしいと思える程、俺の心は荒んでしまったような、冷めてしまったような。 昔はとめどなく溢れていた胸の内側にある熱いものは、気が付けばいつの間にか消えてしまっていた。
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