君と僕は同じ

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「なぁ───」 俺たちどこかで会ったことないか? そう訊ねようとした言葉は弾むような声で遮られた。 「はじめまして。 僕はハナイ」 「え、ハナイ?」 「そう、久保井ハナイ。あ、今変な名前だって思っただろ!」 『はじめまして』その言葉通り、ハナイが口にした名前は初めて耳にしたものだった。 小学校という懐かしい場所のせいなのか、「天体観測」というフレーズのせいなのかは分からないが、妙な既視感を覚えたのは俺の勘違いなのかもしれない。 「変……ではないけど、一度聴いたら忘れられない名前だな」 「そうだと嬉しいな」 ははっと笑うと、ハナイは何か訊きたそうに俺の顔をまじまじと見つめた。 「あぁ、俺の名前は───」 「スピカ」 「えっ」 心臓が一度だけ大きく鼓動して、時間が止まったように思えた。 なんでお前が───その名前を知ってるんだよ。 「それ。ネックレス。スピカみたいな色」 ハナイが指差した先は俺の胸元に光る石。 そして口にした星の名前は、もうすっかり忘れていた、かつての俺自身の渾名だった。
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