『館長』・・・3

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『館長』・・・3

バイナリーにとって、一人では退屈は休日が終わり、 アルマが訪ねてくると、喜んで出迎えた。 一週間の始まり、月曜日 午前が終わり、昼食を終え、受付で休むアルマの所に。 「ご馳走様でした」 「お粗末様でした~」 猫の姿に戻って、バスケットに入る。 するとアルマが口を開く。 「館長…」 「は~い?」 「繰り返しになって申し訳ないのですが… 私を採用した理由って何なのですか?」 館長は頭を上げ、アルマの目を見る。 そして、訊く。 「退屈で、やりがいがないですか?」 思わず、にゅ~、と鳴く。 「いえ。これだけの本に囲まれるのはワクワクします。 館長と触れ合ったり、お話したり、お食事するのも楽しいです。 でも、館長や図書館にとっては枷になっているだけのような気がして…」 アルマの疑問に、答える。 「アルマさんを採用した理由は、アルマさんの事をもっと知りたい、 色々お話ししたい、そして夢を応援したいと思ったからもありますが、 毎日会って、お話ししたり、私の作った料理やお茶を一緒に楽しんでもらいたいという私の希望もあります。 そういう…人との関わりを持ちたいからなんです。 お仕事の事は二の次です。 その為にはお金も惜しみないです。 カオスモス様、財団の方達も私の希望を理解してくれました」 館長はさらに続ける。 「アルマさんが来てくれると凄く嬉しいです。 今日はどんなお話しをしてくれるのかな? 今日はお昼ご飯に何を食べたいのかな? 今日もたくさん撫でてくれるかな?…… 毎日が楽しみです」 館長は自分なりの言葉でアルマに伝える。 「館長…」 「は~い?」 「抱っこ、してもいいですか?」 「もちろんです~」 館長はバスケットから出、差し出されたアルマの両手に収まり、抱いてもらった。 ―――うにゃうにゃ… 目を閉じ、アルマの手に身を委ねる。 言葉を交わさず、こうして触れ合っているだけでも嬉しいし、幸せ。 やっぱり、人が好きです。
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