『港湾関係者』・・・1

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『港湾関係者』・・・1

数日後。 いつも通りの朝を迎え、図書館の扉を開ける。 「おはようございます…」 受付の前に、こちらに背を向けて、男性が立っている。 声に気付いた館長が男性の肩越しに顔を出す。 今朝は人の姿。 「あ!おはようございます~」 男性も背後の存在に気付き、振り返る。 「お!おはよう!」 「お、おはようございます…」 軟派な見た目の男性。 長髪で、少しだらしない服装… 図書館で見かけなさそうな人間である。 ピアスまでしている。 ただ、イケメンだ。 アルマが次の言葉を選んでいると館長が紹介する。 「こちらが今月から来ていただいてるアルマさんです」 「アルマ…アルマ・ティークと言います…」 とりあえず自己紹介をする。 「君がアルマちゃんかー。あ、俺はアベルアーノ・ルハーツ、よろしくぅ!」 「よ、ヨロシクです…」 ―――な、なんで照れてるんだろ… 「いけね!もうこんな時間だ!じゃあバイナリー様、明後日。カオスモス様によろしく!」 「は~い!楽しみにしています~」 「アルマちゃんも!」 「???」 話が見えないアルマは返答に困る。 アベルアーノという男性は行ってしまった。 ……… 始業時間になり、受付につく。 猫の姿になった館長はバスケットにいそいそと入り、丸くなる。 「えっと…今の方は…?」 「アベルアーノ・ルハーツさんですね。この図書館に寄付されている方です」 「そうなんですか…」 なんか意外… アルマの口から出かけた。 「港でお仕事をされてる方ですね。今朝は早いお仕事で、もう終わってこちらに伺いにきました」 「はあ…」 「それでなんですけど、明後日、アベルアーノさんとお昼ご飯を食べに行く約束をしました。 アルマさんとカオスモス様もご一緒です」 「…え?」 「明日、カオスモス様がお帰りになられます。折角せっかくなので皆さんが揃ってる方がいいと思って」 ―――楽しみです~ 館長は口の周りをペロペロ舐める。 「わ、わかりました…」 知り合ったばかりの男性と食事… 何故か緊張する。 異性と食事をしたのは何時だったっけ… ―――それよりも カオスモス… この図書館の所有者、もう一人の神様… 八百屋の店主と猫神様の話で、ぼんやりとイメージする。
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