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「じゃあやめるわ。いやー、ゴールが入らなくなってきて、スランプだって悩んでるから、おまじないを教えてやるって言ったんだ」
「たんきゅー部の名前は」
「出す訳ないじゃん」
「お前……」
「だってサッカーゴール動かして踊るなんか本気でするとは思わないじゃん。小泉だぞ? 学年首位で運動神経抜群で顔だっていい。女子からは王子様小泉と呼ばれてる、少女漫画の主役級の男が、踊ってスキップするか? 三人じゃないといけないらしいって足しといたから、そんな恥ずかしいこと言って人誘うとかあり得ないと踏んでいたんだが」
「おい、また踊ってるぞ」
「うん、二回繰り返すってオリジナル要素付け加えといた」
「鬼畜だな」
「さすがサッカー部、キレのいいスキップだなあ」
「薄ら笑いするのやめろや」
「お、儀式終わったぞ」
「なんか谷と今田が小泉の肩たたいて激励してるな。ボール渡した」
「やるんじゃね? ボールにちゅっとするんじゃね?」
「してないぞ」
「額に当てて念じてるか。まあいいだろう」
「お前なんなんだよ」
「いやあ、おもしろいなあ。がんばれー」
「助走をつけて──あ」
「チッ」
「入った。うわあ、めっちゃ喜んでるじゃん。膝ついて地面に伏してるじゃん。小泉、マジで悩んでたんだな」
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