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プロローグ?
「おい。あれ」
「んー?」
「鈴木、いいから見ろって。グラウンド」
「なんだよ、閉じんなよ。いいところなんだぜ、ハルヤが敵を」
「知ってるよ、煮込んで食うんだろ」
「そこまで読んでない! ネタバレすんな馬鹿!」
「いいから見ろって」
「んだよ。グラウンドがどうしたんだよ──あ」
「あれ、なにしてんだろ」
「……なんかサッカーゴール動かしてるな」
「だよな。どう見ても動かしてるよな。三人で」
「あの図体のでかいのは──間違いない、峰だ」
「やっぱりか。ということはあの犬のしっぽみたいなポニーテールは、佐々先輩で、光ってる眼鏡は東海林先輩。つまり」
「たんきゅー部だ」
「やべえな」
「おい、目合わせるなよ」
「合わねえよ。ここ三階だぞ」
「それにしてもあの人たちなにしてるんだろうな。お、動いたみたいだ」
「ほぼ峰が引っ張ってるな」
「あいつ怪力だもんなー。この前の握力測定、針が一瞬で振り切ってたの見たぜ」
「知ってる。女子がきゃあきゃあ喜んでた」
「手の力が強いからなんのさ」
「拗ねるな。本人に言うのはどうかと思うが、峰はなににしても──細かく言うなら顔と身長と人望と人柄の良さと器のでかさが、お前より上だ、鈴木ご愁傷様」
「あーあー聞こえなーい」
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