見えなくなった世界で ※

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見えなくなった世界で ※

「嫌だっ!やめろ、やめ…っ、あ、ぁうっ」 四つん這いにされ、後孔に熱杭が差し込まれる。 ぐずぐずに蕩けるまでほぐされ、拡げられたそこは浅ましくそれを受け入れる。 ゆるゆると律動され擦られる度に、ぞわぞわとしたものがせり上がってくる。 それが快楽を感じている証拠なのだと、いやというほど教え込まれた。 自分自身の昂りも芯をもち、だらだらと先走が溢れる。 「ひっ、あ、っぁあ! だめ、そこ、だめっ」 前立腺をぐりぐりと刺激され、射精感が高まる。 何度も何度も、回数なんて分からないくらい体を重ね、弱いところも見つけられてしまった。 ぐちゅ、ぬちゅ、と淫猥な音が部屋に響く。 「っぁああ!あ!」 腰が引かれ、結合が深くなる。奥まで犯されている感覚に、体が震える。快楽になんて流されたくない。でも、作り替えられていく。 容姿も、名前も、知り合いなのか赤の他人なのかさえ分からない相手に、乱される。 「っあ…!」 そして、成すすべもなく何度もイかされる。 体も心も、壊されていく。 ** 事故だった。 俺はバイトの配達中に、車と接触。 幸い命に関わるものじゃなかったけれど、当たりどころが悪かった。気づけば病院のベッドの上で、目には包帯。病院の先生には、視力が失われていることを知らされた。 一時的なものかもしれないし、もう視力が戻ることはないかもしれない、と説明され、呆然となったことを覚えてる。俺の両親はすでに亡くなり、親戚とも疎遠。保険にも入っていない。 どうすればいいんだ、と困っていた。 そして、入院して2日目。誰かが訪ねてきた。見舞いに来てくれる知り合いなんていないはずなのに。 そしてそこから、記憶が途切れている。 次に目を覚ました時、俺が寝ているのは病院のベッドじゃなかった。
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