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朝が来た。如月星は髪に櫛を通してから結い、邪魔にならないことを確認してから、森の一角に建てられている隠れ家を出た。 辺りには朝日に照らされ、若葉がその光を浴びて輝いている。その光景がとても幻想的で星はついつい見入ってしまう。 それでも時間は待ってはくれずに星はいそいそと水くみに出かけて行った。 隠れ家にいるのは星だけではない。数人のまだまだ育ち盛りの子どものために星は朝食を作ってやらないといけないのだ。 湧き水の出る場所に向かっていると空気の切れる音がする。まぁ、星にとっては聞きなれた音だ。 「潤。なにをしている?」 女性なのに、星は男のような口調で話をする。星の姉、弥生は妖精のようにふんわりと話すのにこの姉妹はよく分からない。 声をかけられた潤は星と同じ年の青年だ。彼には兄がいて弥生とは恋人同士である。 「朝練習ですよ? 星こそ何をしに……あぁ水くみですか」 礼儀正しい亜聖潤はしっかりと敬語を使い、幼なじみの星を尊重する。だが星はその見下されたような感覚が嫌いだ。
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