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次の日。恭也は守流を廊下に呼び出していました。
「番堂君、今日もやるんでしょ? 今日のチャレンジはなんだい?」
「村瀬……俺の挑戦を受けてくれるのはもはやお前だけだ。別に無理につきあわなくてもいいんだぜ?」
「やだな、僕は番堂君の考えた競技、好きだよ?」
(金が貰えるからか? がめつい奴め)
恭也はギリッと奥歯を噛みました。
「ありがとう、村瀬……じゃあこれからもどんな競技も逃げずにチャレンジしてくれるな?」
「うん。もちろんだよ」
恭也はニヤリと笑い、チャレンジ内容を発表しました。
「今日のチャレンジは……“江成優莉”のスカートめくりだ!」
スカートめくり。それすなわち、読んで字の如く女子のスカートをめくる反道徳的行為です。
ちなみに江成優莉は、恭也のクラスのアイドル的存在で、女子全員と仲がいい優等生です。つまり彼女を怒らせれば全ての女子を敵に回すことになるのです。
更に言うと、恭也の好きな人でもあったりします。
それを聞いた守流は顔をひきつらせ苦笑いを浮かべました。
「はは、さすがにそれはちょっと……」
「なんだなんだ、できないのか? お前今何でも逃げずにチャレンジするって言ったよな。あれは嘘だったのか?」
「いや、そうじゃなくて、たった100円じゃ安すぎるよ」
恭也は耳を疑いました。
「スカートめくりなんかしたら一生『変態』の汚名を着て生きてかなきゃならないんだ。たった100円じゃ割りに合わないって話さ」
「じ、じゃあ、いくらならやるってんだ」
「そうだね……。江成さんはかわいいし、絶対に友達や先生に告げ口するだろうから、千円……いや、一万円は貰わないとね」
「いっ、一万だと!? ふざけんな! そんなに払えるかっ!」
怒る恭也に守流は宥めるように頷いて言います。
「確かに一万は高過ぎるか。いつも番堂君には貰ってばかりだし……。じゃあさ、特別に半額の五千円で手を打つよ」
「ごっ……」
それでもまだ高いと言いかけたその時、守流が耳元で囁きます。
「江成さんのスカートの中、見たいんでしょ? 僕が見せてあげるよ」
その一言で、恭也は踏ん切りがつくのでした。
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