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チャレンジを終えた守流は、何事もなかったかのように恭也の元に戻り、手を差し出しました。
「はい、五千円ね」
恭也は腹の底から叫ぶしかありませんでした。
「ち……ちょっと待てえええっ! 下に体操着履いてるなんて聞いてないぞおおおっ!? 無効だこんなの!」
恭也の怒濤の抗議に対し、守流はあっけらかんと言ってみせた。
「何言ってるのさ。僕は言われた通り江成さんのスカートをめくった。チャレンジは成功だよ。約束通り賞金は払って貰わないと」
「そーだぞ! 約束は守れ!」
「村瀬の勇気を無駄にするな!」
今まで静観していたみんなもここぞとばかりに責め立てます。
(そうか……このためにみんなを呼んだのか……)
まんまと策略にはまった恭也は泣く泣く守流に五千円札を渡すのでした。
すると守流は、未だ廊下に立ち尽くしたままの優莉の元に向かいます。
「協力ありがとう江成さん。お陰でこの通り賞金をゲットできたよ」
「下に体操着履いてるとは言え、ちょっと恥ずかしかったわ」
親しげに話す二人の様子に、恭也はようやく全てを悟りました。
「ま、まさか、お前ら……。俺をはめやがったな!? きたねえぞっ!」
「え? 事前にターゲットと打ち合わせしちゃいけないルールなんてあった? 僕は聞いてないけど」
惚ける守流にとうとうキレて掴みかかろうとしたその時、
「番堂君! お金を賭けるなんてサイテー! 見損なったわ!」
間に割って入った優莉に面と向かって言われ、トドメを刺された恭也はガックリとうなだれるのでした。
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