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クラスのガキ大将的存在である“番堂恭也”は、クラスの男子を集め“ある遊び”を始めました。その遊びというのが、
「番堂恭也の火のチャレンジャー! これができたら100円!」
90年代当時、様々なオリジナル競技をクリアして100万円をゲットするバラエティ番組が流行り、恭也は思いっきりその影響を受けたのでした。
「今日のチャレンジは、“うんていくすぐりレース”! ルールは至極単純。くすぐられながらうんていを落ちずに渡りきれたら、この100円をくれてやるぜ!」
テンション高めにそう言うと、ポケットから100円玉を取り出しみんなに見せつける恭也。
「よーし! うんていは得意だしクリアしてやる!」
一人の挑戦者が張り切ってうんていの下に立つ。すると恭也は手のひらを出した。
「待て待て。その前に挑戦料20円な」
「え? 金取るの?」
「そんなぁ。テレビだってタダで挑戦してるんだからタダにしてくれよ」
みんなのブーイングに恭也は鼻を鳴らし言った。
「バーカ。そしたらクリアするまで何度も挑戦されちまうだろ。ゲームには多少のリスクがつきもん。だから燃えるんだろ?」
恭也の正論に、みんな何も言えませんでした。
「でもその代わりクリアしたら100円もやるし20円も返してやるよ」
「ほ、本当か?」
「ああ。俺は嘘は言わねえ。約束する」
恭也はしたり顔で挑戦者から20円受け取りました。
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