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「用意はいいな? ぶっ、ぶっ、ぶっ、ぶーん」
口でスタートシグナルの音を鳴らし、最初のチャレンジが始まった。
挑戦者の少年はうんていにぶらさがり、一本ずつ棒を掴み順調に進んでいくも、
「……くっ、ふはは」
背後から恭也に腋やわき腹などを触られすぐに動きを止めてしまった。
「ほーれほれほれ」
「や、やめ、ちょ、ダメだっ……もう……」
身をよじらせ抵抗するも、結局手が限界を迎え落下するのでした。
「あーっと、チャレンジ失敗! 残念!」
「くそう! こんなの無理だろ!」
「さあ、次の勇気ある挑戦者はどいつだ?」
「よし、やってやる!」
日頃威張り散らす恭也から何としても100円取ってやろうと、その後も挑戦者は現れるも、
「うはっ、くひっ、おふっ!」
「はいざんねーん」
恭也のくすぐりテクニックの前に全員ことごとく落下するのでした。
「も、もう少し……」
ただ一人、くすぐりに耐えゴール付近まで辿り着くも、
「うわっ!?」
無情にも手が滑り、尻もちをついてしまいました。
「あーあ。後ちょっとだったのに。汗で滑るなんてついてないなぁ」
そして休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴るのでした。
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