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「お、時間か。やれやれ、成功者は無しか。どいつもこいつもだらしないなぁ」
ジャラジャラと小銭が詰まったポケットを鳴らしご満悦の恭也。
「いてて……くそーっ、もう少しで100円ゲットだったのに……」
「なあ、このまま終わるのは悔しいからまたやってくれよ」
「そうだね。また挑戦したいね」
「わかったわかった。明日はもっと面白い競技を考えとくから期待しててくれ」
みんな損はしたもののそれなりに楽しんだらしく、笑顔で教室へ戻って行きました。
それを見届けると、恭也はさりげなくうんていに近づき、ハンカチで何やら拭き取った。 それは、恭也が事前にうんていに塗っておいた油でした。
(ふう。念のため仕掛けておいて正解だったぜ)
そう。この遊びは胴元の恭也が儲かるように仕組まれた罠でした。
(みんな競技を楽しむ。俺は儲かる。まさに一石二鳥の遊びだぜ)
これに味を占めた恭也は、その後もオリジナル競技を考案していきました。
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