メロンソーダ

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◇ 「今回のテストも、100点は2人。梅村さんと篠塚君だ」 テスト返しの時は毎回、クラスに2つの輪ができる。 私、梅村を囲む輪と、篠塚君を囲む輪。 普段どこのグループにも属していない私にとってこの瞬間はたまらなく幸せだ。 「梅村さん、やっぱりいっぱい勉強したの?」 「うん、前日は10時間やったよ」 「すごーい」 こんな感じで、クラスのみんなは私のことを信じきって、褒めてくれる。 クラスのみんなの「すごーい」を取り込んで、私の心は満たされていく。 そんな中で、私の意識はもう1人の100点、篠塚君に向いていた。 彼は私と同じでいつも100点を取っている。 だけど。 テスト返しの日、彼の噂は突然やってくる。
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