メロンソーダ

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うかつだった。 テスト前だから知り合いなんて誰もいないと高を括っていた。 よりによって1番知られたくない相手に知られてしまったなんて。 あれ。 私はツイートの写真を睨みつける。 この写真にはどこか違和感があった。 ピースをする篠塚君の顔。 反射するメロンソーダの水面。 曲が一曲も入っていないカラオケの機械。 そして、ドアの窓から見える赤と青の男女のマーク。 私は頭の中で微かな記憶を探る。 テスト前日。同じカラオケ店。 メロンソーダの体に悪そうな甘さ。 テーブルの上に広げられた参考書。 私の記憶が正しければ、篠塚君がいた部屋は参考書が広げられていた部屋だ。
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