100年サイクル

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100年サイクル

 目覚めたら世界が変わっていた。  第一は自分があるということだ。前は意思を持たないただの物体だったのに、今は「自分」という自我が存在していた。  俺、私、ボク、拙者、あたし等々世の中には自分を表す言葉がいくつもある。  そのなかで俺を選んだのは性別うんぬんを置いておき、単純にしっくり馴染んだからだ。  だだの物体だった俺は、ある日突然さらわれ、凄惨な拷問を受けた。  殴る蹴る刻む削る燃やす溶かす。小さくいくつにも分解されて、最終的には全ての単位で「自分」という自我が生まれたのだ。  一番大きい質量を持ってた俺。だが突然の事態に驚くばかりで抵抗することも仲間を守ることもできず、拷問の途中で意識を失い今やっと目が覚めたところだった。    あれからどうなったのだろう。  俺を痛めつけていた奴らはもういないようだ。
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