幼馴染はプレイボーイ

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クラウドプラットフォーム事業部に所属するわたし。 ソフトウェアの設計から実装(プログラミング)、テストまで、一通りの工程を担当できる部門で、多忙期は5つぐらいの仕事を同時進行で行うこともあり、楽な仕事ではない。 でも、大企業だから納期に間に合わない限りは、女性社員は22時には退社させて貰える。 会社帰りにスーパーへ寄り、夕飯のおかずと明日のお弁当用を考えて、多めに材料を購入して帰宅し、部屋着に着替えて調理にかかる。 アジの南蛮漬けと味噌汁とサラダに冷奴、ヘルシーディナーの完成と、いざ食べようとしたら、施錠した鍵を開けられ、当たり前のように、うちに入ってきた男に対し、溜息をつく。 「美味そう。俺のもある?」 親同士が何かあった時のためと、京都から東京に出る際に、同じ賃貸マンションに住まわせた、幼馴染、神崎恭平が、当たり前のように、わたしが用意した夕ご飯を食べ始めた。 月・火・木曜日はご飯をたかりにくるから、多めに作るようにしてる。 「芽生、今日、俺、昼飯食う暇無かったんだ。他にも何か無いか?」 10分ほどで食べきり、足りないと要求してくる幼馴染に、昼ごはん用にとっていたアジの南蛮漬けと、作り置きしているキンピラとマカロニサラダを出す。 明日も社員食堂に食べに行かないといけないと思うと気が重い。 「恭平、同期の誰か忘れたけど、総務の子が、恭平と合コンしたいって言ってたよ」 食べ終わった恭平の前の皿を片付け、コーヒーを入れて置きながら言う。 「社内の女に手を出す趣味は無い。面倒臭い。適当に交わしといて」 コーヒーを飲み終わると、神崎は自分の部屋へ帰っていく。 24時になるかならないかの時間で、わたしもさっさと片付けをしてから寝たいから、さっさと去って行ってくれるのはありがたい。 NEOに入社してから、このご飯をたかられる生活が続いていて、恭平が休日出勤で多忙な日は掃除洗濯もお願いされ、わたしはお手伝いさん扱いをされてる。 恭平の世話をするのは、中学生の頃から日常的に行われてとからなんとも思わないけど、恭平には彼女という存在がいるから、この関係を終わらせたいと思うわたしがいた。
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