30歳までに結婚できなかったら

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30歳までに結婚できなかったら

恭平と同居を始めて半年が経った年の瀬。 週末の起業のお手伝いにもなれ、毎日充実した日々を過ごしていた。 「芽生、年始年末、実家帰るか?」 「一応、そのつもりだけど、恭平は?」 「俺は、今回は帰省しない。内藤と残って、年明けまでに、あのロボットを仕上げる予定だから」 3月にNEOを退職し、独立する事を決めた。 大手スーパーに提供するAIロボットによる自動レジシステムと、某塾に提供する自動採点するAIロボットを発表し、AIロボット開発を主力製品とした会社を公にすると決めた。 わたしも、NEOを退職してお手伝いをしたかったけれど、起業は必ず成功するとは限らないから、NEOに残れと、恭平に言われた。 年始年末、30日に京都の実家に帰省した。 「芽生、恭平くんといつ結婚するの?」 実家に帰り、母と恭平の母に帰宅早々に、トンチンカンな事を聞かれたわたし。 「えっ、わたし、恭平とは付き合ってないよ?」 「一緒に住み始めんでしょ?」 「たんなるルームシェアだよ。引っ越そうとした物件がダメになって、恭平の部屋に空き部屋がらあるからお世話になってるだけ」 恭平とは腐れ過ぎた腐れ縁なだけ、付き合うなんてありえない。 もはや、兄弟みたいにしか思えない 恭平もそうだと思う。一緒に暮らしていても、ときめきとか、感じない。
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