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ケーキバイキングにて
図書館を出て3分ぐらい歩いた所に「LEON」と書かれた看板が掲げられた店に俺たち4人は到着した。甘い香りが入り口から漂っている。
女性「ここだよ!」
女性がその店を指差した。
和馬「あー...ここか。彼女と来たことあるわ。」
健吾「マジで!?俺初めて来たわ。つーか、こんな所にスイーツ店とかあったんだな。」
女性「私もネットの口コミで知ったんだ。友達と来て、それから一人でも何回か来たことあるよ。」
和馬「へぇ、甘いものお好きなんすね。」
女性「私?そうだよ~甘いもの大好き。君は?」
和馬「男にしては好きな方だと思うっす。スイーツ男子と言われるほど大好きってわけじゃないけど。」
女性「ふふっ。まぁ、男子はそんなもんだよね。」
初対面にも関わらず3人はまるで従来の友達のように仲良く話している。
「あのー、なんか見た感じ混んでますよ。」
3人が会話してる時に入り口から店内を覗いた俺が店内の様子を女性に伝える。
女性「あちゃ~!やっぱり~~?!」
女性は落語家のようにオーバーリアクションしながら自身の頭を手でぺちっと叩いた。
女性「限定メニュー無くなっちゃってるかもしれないなー。ま、とりあえず早く入ろ!」
女性は言うと店の中に入った。俺を含め3人も女性に続いて店に入った。
店員「いらっしゃいませ~4名様ですか?」
女性「はい」
店員が女性に声をかけ、それに女性が応じる。
店員「只今大変込み合っておりますのでこちらのボードに代表者様のお名前を書いて頂いて順番が来ましたらお呼びしますので少々お待ちくださいませ。」
店員が示したボードに女性は名前を記入した。
健吾「吉田って言うんすね、お姉さん。」
記入した名前をチラッとみた健吾が言った。
女性「うん、でも、みゆきで良いよ~。あと、お姉さんは禁止。あんまり年離れてないでしょ?私たち。」
健吾「おね...みゆきさんって大学何年生なんですか?」
健吾が続けて女性に聞いた。
女性は椅子に座り健吾と和馬と俺も続いて隣に座る。
女性「一年だよ~3人は?」
健吾「俺達は高2です。」
女性「高2か~青春だね~。部活は運動部?」
和馬「はいサッカー部です。」
健吾に続いて和馬が女性からの質問に答えた。
女性「だよね~サッカー部ぽいと思った!」
和馬「マジすかーw...えっと、 サッカー部ぽいってどのへんが?」
女性「ワックスの付け方がサッカー選手っぽいから?」
和馬「あぁ!そういうこと!」
女性「うん!テレビで見るサッカー選手って
そういう髪型してるから意識してるのかな~って」
和馬「はい!そうなんすよ。僕、日本代表の鮫島正樹選手の大ファンで!」
女性「へぇ、そうなんだ。」
女性は頷きながら楽しそうに和馬の話を聞いている。
その姿をつまらなそーに隣で傍観する健吾。
和馬「そういえば、鮫島正樹選手が出る試合今度観戦しに行くんすけど良かったら、みゆきさんも行きませんか?ナイターなんすけど」
唐突なお付き合いの誘いに2人が会話している横で小説を読んでいた俺でさえも顔を健吾と吉田という名字の女性の方に向けた。
女性「う~ん、私はいいかな~、サッカーあんまり興味ないし。鮫島って人も正直誰だかわからないしね~そういうのは友達といくのが一番だと思うよ!でも、誘ってくれてありがとう!気持ちだけでも受け取っておくねー」
吉田と名乗る女性は和馬の誘いをニッコリキッパリハッキリ断った。
和馬「あ...そ、そうっすか。」
ハッキリと断られた和馬はあからさまにガッカリした様子で誘うのを止めた。
その刹那、和馬の体が灰になって崩れる幻覚が見えた気がした。
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