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「海斗が俺くらいの年になっても、それこそ変わらないような気がするな」
「それどーゆー意味? ガキ臭いとか?」
「ぷぷ。ガキというか……そうだな。今の可愛い海斗はそのまんまだろうなって意味だよ」
目を細め優しい表情でゆう徹さんに、柄にもなく俺はちょっと照れくさなった。徹さんと目を合わせてられんで、置いたばかりの肉をひっくり返す。
可愛いゆわれて、何照れとんねんやろ。乙女かいな。
「……逆にそんな俺が恥ずかしいわ」
思わず独り言がボソボソと口から漏れ出しとった。徹さんが箸を置いて腕を組む。
「腹膨れたか?」
「へ……」
唐突な発言に顔を上げる。
「早く食って、早く帰ろう」
「う、うん」
なんや見たいテレビでも急に思い出したんやろか? よーわからんけど、ジョッキのビールをゴクゴク飲んで、焼いた肉を二人でせっせと食べた。
店を出て車へ乗り込む。走り出した車の中で、徹さんが俺の右手を握った。手のひらが熱うて、なんかちょっとドキドキしてくる。こうゆうのって、恋人っぽい。
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