世にゆう愛欲の日々ってやつ

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 チラッと徹さんを見たら、何か考えてるようにずっと無言やった。ただずっと俺の手を握ってる。  マンションに到着して部屋に入った途端、徹さんに背後から抱きしめられた。まだ靴すら脱いでない。 「どないしたん?」 「抱きたい」  どストレートな囁きにブワッて顔が熱なる。チャッカマンもビックリや。  徹さんと付き合うようなってから、そういう行為はまだ数えるほどしかしてない。そうゆうたら、ディズニーの研修が始まってからは、一回もしてなかったっけ。仕事のことでいっぱいいっぱいで今まで気にもしてへんかったけど、もしかして体に負担をかけんとこって、俺に気遣ってくれてたんかな? 同じベッドに入って、なんも気にせず、隣でグースカやってもうてた。野暮もええとこ。なんや申し訳ないことしてもうてた。  俺を抱く徹さんの腕に手を重ねて頷いた。 「うん」  なんやかんや実はまだ、恥ずかしかったりする。なんせ、今までは鳴かせとった側やのに、逆に鳴かされてまうんやから。気持ちええからええねんけど、めちゃくちゃになってわけわからんくなってしまうんが怖くもあり、情けなくもあり。久し振りやし、余計怖気づいてまう。
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