主体的な生き方

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先ほどの看護師が私のもとまできて丁寧な所作で話した。 「樫様、4番相談室までご案内いたします。」 部屋に入ると先ほどの相談士、史子が少し頭を抱えながら待っていた。 「ああ、どうもおかけになってください…検査の結果の前に何点か質問させてください。まず血液、レントゲン等に異常はありませんでした。」 たいていの病名を言う前につく常套句をしゃべり、史子は何かを探るように私に質問をしてきた。 「そのほか身体に今のところ以上は見られなかったのですが…そのなんというか落ち着いて聞いてほしいのですが… 樫様、お仕事のほうがどうですか?…。」 「はい?」 予想していない方角からの質問に少し大きな声で答えてしまった。そのあと史子が少し貯めて意を決したような顔をして少しまくしたてるように話し出した。 「いやですね…今時珍しいんですよね、残業している人ってそれも年間100時間も。そもそも残業って言葉ももう辞書くらいでした見ない世の中になりましたし、いやね私も初めて見るんですよ、暇すぎて、人生に過ごし方に悩みうつ病になった人の治療をしたことはありますけど、今時仕事が忙しくって、それも赤紙もらう人なんて…。 つまりですね樫様はワーカホリック(仕事中毒)の疑いがあると私とAIは判断しました。」
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