バカと100点

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散らばった紙に目を落とす。それは全て満点の、彼女の答案用紙だった。 リエナが拾うために動いたので、ボクも窓を乗り越えて拾うのを手伝う。 「ありがとう。そんな事までしてもらうつもりなかったのに、悪いわね」 彼女は柔らかくニコリと笑う。 その言葉に違和感を覚えて、ボクは聞いてみた。 「そんな事までって、ボク他に君に何かしたかな?」 「ええ、貴方のおかげで時間が短縮できたわ。この場所にドラゴを誘導して正解だった」 ただの違和感が、決定的な理解不能になる。 ボクの戸惑った表情に彼女は察したらしく、今度はクスリと笑う。 普通なら嫌味と捉えそうな笑い方だが、ボクは何故だかそこに美しさを感じて更に戸惑う。 彼女はそれには気付かず、話を続けた。 「貴方、いつもあの部屋で、トレーシア先生に怒られているでしょう?今日もそうだと思っていたの。貴方や先生が上手く私たちを見つけてくれれば、ドラゴの下らない話を断ち切れると思ってね」
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