2人が本棚に入れています
本棚に追加
それでいいはずなのに、ボクにはもう書けなかった。
彼女と同じ答えを書く事はできなかった。
だからと言って空欄で提出する訳にもいかず、もう1人の名前を書いた。
これでボクのテストは終わった。
ボクの祖先はそれはもう優秀な人で、その人が始めた小さな学習場は、今や国の主要人物を輩出する名門校へと成長した。
現在は祖父が理事長を務め、母は教員になり、父は政府の重役を担う。
もちろん、祖父も母も父も、みんな首席でこの学園を卒業した。
ボクは一人っ子だから、母が理事長を継いだ後、本来なら僕へと受け継がれる。
でもきっと、首席では卒業できないボクは、後継者から外されるのだろう。家族として扱ってもらえるかも怪しい。
家の恥としてボクは捨てられるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!