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次の歴史の授業。
通常授業が行われ、終業ベル後にテストが返却される。
淡々と名前が呼ばれて、みんな一喜一憂を見せながら席へと戻っていく。
ボクはすぐには点数を見なかった。
満点でなければ、何点でも同じだから。
「バルト君、どうだった?」
自席に着くと声を掛けられ、ボクは顔を上げる。
リエナがボクの方に身体を向けて不敵に笑っている。
「どうだった?」
ボクが何も答えないから、彼女はもう一度聞いてきて、ボクは歯をくいしばる。
「どうも何も、いつもと同じだよ」
ボクは今まで見ようとしなかった答案用紙を、点数が見えるように机に置いた。
そして目を疑った。
そこに書かれた数字は3桁。
満点の100点である。
信じられなくて最後の問いを確認する。
そこにはしっかり丸が付いている。
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