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最低過ぎるけど、憎めないやつ
3週間後ぐらいに、また、蓮斗が、わたしをからかいうために、わたしの部署までやってきた。
「よっ、あいかわず、ドクターを射止めてないようだな」
第一声がコレ……。
思いっきり睨むと、『コワー』とリアクションした蓮斗。
「何しに来たのよ?」
仕事の邪魔をするなと、実験器材を出して来て、仕事を始める。
「おまえ、体調どうだ?」
「はっ、別に良くも悪くもなく、普通だけど何?」
「ちょっと来い」
これから、昨日届いた新薬の実験をしようと思っていたのを、無理矢理手を引っ張られ、部署から出て、どこかに連れて行かれる。
辿り着いたのは女子トイレ。
「……これ、調べてきて」
蓮斗から小さな紙袋を渡される。
中身を見て、唖然。
……妊娠検査薬
わたし、今、生理中ですが何か?っと心の中でぼやく。
「蓮斗、……必要ないよ。ちゃんと、来るものは来たから」
わたしがそう言うと、蓮斗は、ほっとするのではなく、残念そうな表情を浮かべた。
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