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マカロン
「暑い暑い」
2人で何回も繰り返し話しながら、彼と一緒に私の自宅へ入った。
思ったよりも今日は暑くて、なにより思ったよりも沢山歩いた。
だから暑くてたまらない。
「エアコンつけるね」
私はとにかく部屋を涼しくしなきゃと、冷房の温度をいつもより下げ、風速も強くする。
この暑さが気温のせいでありたいから。
「暑いから脱ぐわ」
彼が上半身を露わにする。
鍛えた身体に色気があり、私は直視できないでいる。
自宅なのに彼がいるだけで別世界のように感じ、ソワソワしてしまう。
彼の上着を受け取りハンガーにかけると、
「ありがとう」
彼の低い声が私に響く。
これから起きることに私は
期待しか持てず心臓が落ち着かない。
すごくドキドキしている。
けどこのドキドキは...私だけ。
彼は私にドキドキしていないのだから。
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