水口②

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水口②

わたしたちと高城ちゃんは、馬が合った。校内のクラブ活動は、全員、一緒のスポーツクラブに入った。昼休みはずっと一緒にいたし、休日は三人でよく遊んだ。公園や買い物に行くことが多いけど、ハルちゃんの家で遊んだこともある。 夏休み、わたしたちは林間学校に行った。高城ちゃんは行けなかったけど、それでも、楽しかった。 やっぱり、この三人がいいと、改めて思った。 楽しかった夏休みが終わり、九月と共に、二学期がやってきた。 始業式の日の放課後、「林間学校、楽しかった?」高城ちゃんが話し出した。最初はあんなにオドオドしていたのに、今では堂々としている。そのクールさに、女子のわたしでも惚れそうになる。 「まあね」ハルちゃんが応えた。 「男子とかって、どんな話してるんだろう」宿でのことかな。 「誰がかわいい!とか、今日は寝ないぜ、とかかな。あ!あと、怪談もしてた!」 「ハルちゃん、それ、誰から聞いたの?」高城ちゃんが興味津々と尋ねた。 「神川だけど。行動班で一緒だった」 「怪談の話、どんなこと言ってた⁉︎」 「ここが墓地だったとか、あの窓に映ってるのが幽霊だとか。沢山話してた」 「もっと教えて!」 「いいよ!」それから、かなり多くの怖い話が出た。ところが、「…近くの窓から、落とされるんだって」とハルちゃんが言うと、 「…私、保健室に行ってくる」そう言って、小走りで向かった。慌てて追いかけ、高城ちゃんに付き添っていたけど、「もう遅いから、あなた達は帰りなさい」と保健室の先生に言われたので、仕方なく、引き上げた。 「高城ちゃん、大丈夫かな」わたしは思わず呟いた。 「だいじょーぶだよ!きっとさ」 「そういえば、あの怪談。突き落とされるやつ。本当?」 「ホントホント」
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