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高城②
「ひっ、く、クソっ…」男子トイレの個室の中から、あまりにもか細い声が聞こえてきた。そして、間髪入れずに、ドアが開いた。私はとっさに隠れたが、中にいた男子は消えそうな声で、まるで私がそこにいるかのように喋った。
「そ、そこのお前、ただでしゅみゅ…やべ、噛んじまった。ええい!ただで済むと思うにゃ!あぁ!また噛んじゃった…」明らかにビビっていたが、可愛かったので、聞き耳を立てていた。
すると突然、体が浮き上がった。そのまま、二階の男子トイレの窓から、宙を舞った。
足から外に出されたので、一瞬だが、顔は見えた。
神川の、顔だった。
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