神川⑤

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神川⑤

「あ、アニキ」 「やっぱりいたか。可愛い弟よ」 「アニキって、幽霊触れんのかよ?」 「肌の出てるところならな」 「じゃ、じゃあ、なんでここに来た?それに、美術室の幽霊、投げる必要、ないだろ?なんで?」 「…どっちの質問も答えよう。まず、流石に気づいていると思うが、あの幽霊は美術室のそれだ」 「それは分かった」 「アイツと俺、話したことあるんだぜ」 「えぇぇ⁉︎」 「どうやったかは教えないぞ。それで、彼女が俺の初恋の相手だ。もちろん俺も只の男だ。愛の告白は恥ずかしいだろ?だから投げた」 「…それで、なんでここに来た」 「お前は高城って女子に告白する予定だったんだよな?」 「そうだけど」 「その子が幽霊な。美術室の」 「…」 「運動会のときにその転校生を見て、一目で分かったよ。そして、俺がここに来た理由は、お前に彼女を取られたくなかったから。ついでに言うと、彼女、俺の初恋相手だ。因みに、小二のときだ」 やっぱり、高城は、高嶺の花だった。そして、しばらくの間は、アニキに追いつけない。そう悟った。
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