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何この、正面から水を引っ掛けられたみたいな感覚。自分が酷く見っともない、恥ずかしい存在に見えた。
わかっていたのに。私の言いごとの全てが、とうに破綻していたことくらい。
美来奈が全て正しかった。
桐一は断片的なことで人を判断しない。第一印象も周りの評判も関係ない。色んなことをひっくるめて、自分で評価を決める。
水商売の女だから何だって言うんだ、って呆れ顔をする桐一の声が脳内で聞こえる。
店外の古紙回収ボックスの前で、スカートのポケットから鳴り出したスマートフォンを取り出した。
——桐一。
何か用事があるから掛けて来たのだろう。
出なきゃと思いながらも、親指が通話ボタンを押さないまま、とうとうスマートフォンは沈黙した。
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