一章

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家に戻るとそのまま桐一の部屋に連れていかれ、ベッドの上に座らされる。 鞄を放り投げた桐一が私のセーラー服の結び目を解き上からすっぽ抜いた。そしてキャミソールの肩紐を摘んで頭から抜いてしまうと、今度はスカートのホックを外して床に落としてしまう。 私はさっさとブラジャーのホックに手を回そうとする桐一を制す。 「……私だけ脱ぐのはズルくない?」 首を傾げた桐一が無言で手を広げた。 「じゃあ脱がせば?」 男は普通、自分で脱ぐのではないだろうか。 「そういうものなの?」 「人によるだろ、こんなもん」 「……じゃあ」 私は恐る恐る、桐一のシャツのボタンに手を掛ける。 何故、自分の服のボタンは外せるのに、人の服のボタンは外しにくいのだろう。 「焦れったいな」 大人しく待っている桐一が半ば呆れた声を出す。でも自分では脱がないらしい。 「は、外れた」 開いたシャツを外して、タンクトップを捲りあげて取ってしまうと、光合成をしてなさそうな白い身体が露わになる。いかにも文化系の高校生男子といった体躯で、あまり逞しいとは思えない。
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