一章

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「ちょっと探るぞ」 桐一の手が私の皮膚の薄い部分に触れた。 「ふ……あぁぁん!」 私は慌てて口を無理矢理閉じる。 自分で自分が恐ろしくなった。今の下品な声を、私が出したなんて信じられない。 「すっげーな……AV女優の声かと思った」 真顔で指摘されると、より羞恥が増幅する。 「や、やめて」 「もう無理。俺もう固くなってるし」 何が固くなっているのかと目線を動かす。 「あ……嘘」 女性顔負けの繊細な容貌の彼の下半身に付随している妙に生々しい突起物に、私は唾を飲んだ。 「コレがお前の小さい穴の中入るんだぜ? ちょっと中に指入れるぞ」 入り口を少し捏ねられて身を捩っていると、ずぶずぶとその中に異物が侵入してくる。激痛に、理性が飛んだ。 「あ…ああああああっ!」 桐一がすまなそうに眉を潜めながら私の悲鳴を受け止める。 「やっぱり痛い? ごめんな」 指を抜いた桐一が「入るかな」と小さく呟いた。 そんな「悪いことしてるな」って顔、しないでよ。 私は左手で体重を支えながら身体を起こし、桐一の性の部分を右手で握り少し開いた穴に寄せる。互いが触れ合った瞬間、桐一がぶるっと震えた。
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