一章

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私の目にだけ変なフィルターがかかっているのかと思っていたが、どうも桐一は美少年の部類らしい。確かに、私よりも睫毛は長いし、色白で顔のパーツの一つ一つも整っている。比較的父親似なのだが、父は若い頃それ程目を惹く容姿ではなかったところを鑑みると上手く似たらしい。 たまに女の子から桐一の連絡先を聞かれることがあり、その時だけは口実になるので桐一と親しくしていないことに胸を撫で下ろしている。 他の女が桐一と付き合うことに私が耐えられる訳がない。だけど桐一だって年頃だ。そして桐一が誰か恋人を作ったところで、()に邪魔をする権利はない。だから恋愛をするのならせめて、私がわからないところで勝手にやって欲しい。
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