プロローグ

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プロローグ

2085年、近未来。 様々な技術が発展し、AIなどの最新技術が完全に汎用化、かつ安全化された世界。 この世界では約57年前に第三次世界大戦が起こり、日本はその戦争に巻き込まれたものの核などは落とされずに何とか戦い抜き戦勝国の一国となった。それからというもの日本、いや全世界の先進国では様々な技術が発展の限りを尽くし、2051年にはAIの実用化に成功した。だが……その数年後、AI自身が自分のデータを書き換えようとする事件が発生。人類はいち早くその異変に気付き全世界全てのAIの機能を一時的に強制終了させるという事態となった。それからというものAI技術においての発展は人類への危害発生の可能性や安全性などを完全に把握してからという前提で行われるようになり、他の技術より発展が圧倒的に遅くなってしまった。 とはいえもはやAIが人間のように感情を持ち、学び、自分の意思を持つ事すら当たり前というこの世界では終戦後第三次世界大戦を防げなかった反省を生かし「国際平和維持連盟」が誕生した。国際平和維持連盟は終戦後2034年、アメリカに設立されその後内部では様々な組織が誕生していった。その中の一つが「タレンド」と呼ばれる組織だった。この組織は簡単に言えばその組織に加入している隊員がタレンドが開発した最新型の装備の総称「アルマ」を装備し紛争やテロなどの制圧にかかる各国の一つ一つの軍とは違い国際平和維持連盟に所属している国家が協力して形成している組織だ。加入試験を合格すれば隊員となれる。が、トップ10にも入る人気の職業でありタレンドが認めた専門の中学校にまず入学して様々な訓練を受けなければならず、その中学校の試験倍率は十数倍以上とかなり高い。この「タレンド」という組織は日本に本部を置かれ、様々な国に支部を設置されている。しかし……未だに世界から紛争やテロが消える事は無い。2077年に「アルマ」の疑似装備を持った巨大テロ組織「ヴェルト・ゼロ」が突如出現し、西アジアの一国を制圧してしまうという大事件が起きた。タレンドは紛争やテロが起きた場合話し合いか謀略でケリが付けられない場合即刻制圧する、というルールがあるのだがこのテロ組織に至ってはそうはいかなかった。人だけで無く虫のような形をした量産型の自立戦闘ロボット兵なども存在し、最早一つの国として成り上がってしまっていた。これでは流石のタレンドも簡単に手を出せなかった。そして2085年、現代に至る。 これは、「タレンド」の新米隊員の少年「青山柊夜(あおやましゅうや)」とその幼馴染み「桜木早希(さくらぎさき)」を視点とした物語。
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