案件3 ふたりきりのエレベーター

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エレベーターに入ってきて私に寄りかかる旬先生の肩を揺する潤先生。 「おい、旬。そんな疲れるまでがんばるなよ」 潤先生に揺すられてぐらっとなり旬先生は床に崩れ落ちるように倒れた。 「旬?!」 「旬先生!」 倒れた旬先生の顔色が真っ青だ。 「旬?! 涼ちゃん、扉押さえといて」 「はい!」 潤先生の指示に従いエレベーターの扉を押さえる。異変に気がついた受付嬢の2人も駆けつけてきた。 「大丈夫ですか?!救急車呼んだ方がいいですよね?!」 心配顔した受付嬢に、旬先生をお姫様抱っこした潤先生が「大丈夫、いつものだから。少し休めば良くなるよ。ありがとう」と応えた。 こんな緊急事態でも、焦らず笑顔で対応出来る潤先生には感心してしまう。 それに力持ちだわ。 潤先生は、旬先生を抱き抱えて旬先生の部屋まで運んだ。すぐ後をついて行った私が部屋の扉を開ける。 長いソファに旬先生を静かに置いた潤先生。 「涼ちゃん、そこのクローゼット開けてみて。毛布入ってるからさ、出してもらえる?」 「はい」 言われた通りに大きめなクローゼットの扉を引いて開けてみた。 寝具が一式入っているようだ。そこからクリーム色の毛布を取り出して潤先生に渡した。 「ありがとう。いやぁ、久しぶりだな。旬が倒れたのは」 「あのっ旬先生は、どこかお悪いんですか?」 さっきまで全然変わった様子が無かったのに、急に倒れるなんて心配だ。
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