案件1、24時間以内に惚れてしまうという予言

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旬先生にアドレスや電話番号を送ると 「ありがとう、じゃ、先に戻ってるからね」 と言って、旬先生は雑誌を手にしてレジへ向かって行った。 へんなの……。 旬先生を何気に目で追っていたら、大変なものを目にしてしまった。 レジの近くにあるホットドリンクの棚からお茶のペットボトルを手に取りレジに置いたのだ。 なんと! お茶を買っちゃったじゃん! えっ、と言うことは! 読めた!旬先生は無類のお茶系ドリンク好きに違いない! なんでまたあんなヒントを私にくれたんだろう。もしかして、私が旬先生の会計まで見てないとでも思ったのだろうか。 いずれにしても、今回の買い物試験、これで楽勝だわ。 カゴをカゴ置き場に戻し、ドリンクコーナーの棚にフレッシュオレンジジュースを戻した。 ホクホクしながら、レジへ向かう。 これで私の観察眼は確かだと、旬先生に思ってもらえそうね。これはきっと観察眼試験だ。 会計を済ませて、私は意気揚々とエレベーターへ向かった。
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