案件3 ふたりきりのエレベーター

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喉元がセクシーだ。 顎のラインが彫刻みたいに綺麗。 鼻の穴が縦長だ。 棚からタオルを一枚取った旬先生は、まず額を拭きながら棚の前にいた私を見おろした。 それから、数回瞬きして私を見てから旬先生は 「こうしてみると……内藤くんは凄く小さいんだな」と感心したように呟き私の頭に手を置いた。 ポムポムと掌で私の頭をゴムまりに触るみたいにしてくる旬先生。 向かい合って頭をイケメン男性にポムポムされるのは、なんだか気恥ずかしい気分でいっぱいだった。 ポムポムされている時、コンコンと扉がノックされ返事を待たずに扉が勢いよく開いた。 「失礼します。旬先生?…っっと、あららら? お邪魔でしたかしら」 顔を出したのは、この法律事務所で働いている弁護士の音羽先輩だった。 私がこの法律事務所で働けるように口利きしてくれたのが、このスレンダー美人の音羽先輩だ。 音羽先輩に変なことを言われ、ただ焦りまくる私。 「いえいえ、違うんです。たまたまタオルを取れなくてですね」 「……音羽くん、どうした? 何か用か」 タオルでズボンの濡れた部分を拭きながらソファへ戻る旬先生。 「あらっそんなそっけない言い方するってことは、やっぱり邪魔しちゃったの、私」 「音羽先輩いい加減にしてくださいよ。邪魔とかあり得ないですから。ねっ、旬先生」 旬先生は、きっとムカついているに違いない。私なんかとどうにかなってるみたいに言われたら、絶対に嫌なはずだ。 そう思って旬先生を横目で見た。 「まだ、邪魔とかいう段階ではない」 まだ? それってどういう意味だろ。 訳が分からずに旬先生のシュッとした横顔を見つめた。
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