案件3 ふたりきりのエレベーター

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「涼、旬先生の午後の仕事は潤先生と私で分けたから、旬先生は約束の時間まで少しでも休ませてあげて」 音羽先輩の言葉に首を縦に振る。 「はい。わかりました」 「涼が来てくれて良かったわ。旬先生もこれで安心よね」 ソファから立ち上がった音羽先輩は、私の肩に手を置いた。 「あとは、よろしく。仕事の面でも旬先生のサポートしっかりね。旬先生と涼なら相性がいいと思って紹介したんだから」 私に微笑んだ音羽先輩。 「はい、任せてください、先輩」 音羽先輩は、私の憧れの先輩だ。音羽先輩みたいにパリッとしたスーツの似合う女性弁護士はかっこいい。 私の永遠の憧れだ。その音羽先輩から紹介された旬先生の下でのパラリーガルの仕事。任されたからには、旬先生は少し変わった弁護士だが、この仕事を頑張って全うしたい。 たとえ、音羽先輩と旬先生が付き合っていようと、そんなことは仕事に少しも関係ない。 音羽先輩が出て行くと 「少しだけ横にならせてもらうよ」 まだ顔色のよくない旬先生がソファにゴロンと寝転んだ。
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