案件1、24時間以内に惚れてしまうという予言

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エレベーターで2階へ行き、まずはシアトルコーヒーのカフェを眺めた。 コーヒーの芳しい香りが辺りに充満している。 非常に良い香りだ。 普通の男性ならば、きっとコーヒーが好きなはず。大抵の男はコーヒーが好きだ。 だが、相手は普通ではない面倒くさい男だ。 もしかしたら『お抹茶が好きで』とか言い出し、懐から懐紙を出してこないとも限らない。 なきにしもあらず。 カフェとコンビニの2つを交互に眺めて、唸りながら掌を自分の頰にあて立ち尽くしていた。 とりあえず、こんな時は、まず現物を見てみよう。 コンビニへ入り「いらっしゃいませ」の声をうけながら、キョロキョロとドリンクコーナーを探す。 あった、あった。 カップに入ってストローを刺して飲むタイプの抹茶ラテ。そして、下の段に同じタイプのフレッシュオレンジジュース。 どちらも…… 両方手に取りパッケージを眺めた。 どちらも美味しそうだ。 うんうんと頷きながら、首を傾げた。 はて、旬先生は「今、私が欲しているものを買ってきてください」と言っていた。 普通の男性思考ならシアトルコーヒー。 だが、あえて買い物させる試験だ。そんなに甘い訳がない。 とすれば、抹茶ラテかフレッシュオレンジジュース。 今は、まだ午前中だ。 となると仮に、今朝はちゃんと食べられなかった。少しは、栄養のあるものを取りたいなぁ、そう考えた場合は…… 断然フレッシュオレンジジュースだ。 私は、フレッシュオレンジジュースを持つ右手を上げた。 だが、今は冬。 冬は、風邪を引きやすい。そうだ、風邪予防の為にカテキンを取りたい。その場合は…… 抹茶だ。 今度は、左手を上げた。 I have a 抹茶、I have a フレッシュオレンジジュース。 うん…… ますますわからない。 両方の手に持ったドリンクを見比べて、私はドリンクを持った右手と左手を交互に上げたり下げたり、途中唸ったりしていた。
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