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その日から、声はどんどん小さくなっていった。
もともとザラザラだった声はどんどん掠れて、へんてこな木のそばに行かないと聞こえなくなった。
僕は必死で飛び回った。
声の主に何かが起こっている。具合が悪いのかもしれないし、怪我をしたのかもしれない。僕にできることがあるなら何でもしたかった。
色んな子にも聞きに行った。へんてこな木や、あの建物にも何度も行った。
それでも何もわからなかった。
ねぇ、君は誰? 何処にいるの?
……今、何をしているの?
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