【 】甘くない話

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「お待たせしました」  シレーナが持って来てくれたのは、瓶に入った白い液体。これが牛乳なのかな? 「向こうにヒトの建物があって、私はそこで育ったんです。小さい頃、ヒトがよくこれを飲ませてくれました」 「飼育センターで生成されていた、人工乳ですね。生き物の飼育に使用される、ヒトが作り出した乳汁です」 「へぇ……」  ヒトって凄いや。何でも作れちゃうんだ。 「牛乳の代わりとして十分でしょう。チョコレートも作れるかもしれません」 「やった‼︎ ありがとう‼︎ 」 「いえいえ。お役に立てて嬉しいです。足りなかったらまた来て下さいね? 」  材料は揃った。後は料理するだけだ。 「そう言えば、ダクはどこ行ったの? 」 「ティトに呼ばれてましたよ? 診療所に行くとか。何だか随分焦ってましたね」
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